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2022-11-20

p値

p値とは

仮説検定の文脈において、p値(確率値)は、帰無仮説が真であると仮定した場合に、標本データから得られた結果と同様またはそれ以上に極端な結果を観測する確率と定義されます。

p値の解釈はしばしば直感に反することがあります。p値は、帰無仮説が真であると仮定したモデルと観測データがどれだけ適合しているかを示す尺度であり、帰無仮説が真である確率や効果の大きさや重要性を直接的に測るものではありません。

一般的に、小さいp値は、観測データが帰無仮説によって説明されることが非常に少ないことを示し、それに反対する強力な証拠を提供します。逆に、大きいp値は、観測データが帰無仮説によって説明される可能性が高いことを示し、それに反対する弱い証拠を提供します。

よくある誤解

p値はしばしば誤解されます。以下はいくつかの一般的な誤解です。

  • 誤解1: p値は帰無仮説が真である確率である
    これは正しくありません。p値はデータによって提供される帰無仮説に対する証拠の尺度であり、帰無仮説の妥当性を直接的に測るものではありません。

  • 誤解2: p値は効果の大きさを示すことができる
    同様に、これも誤りです。p値は、帰無仮説が真であると仮定したモデルとデータの適合性について示すものです。効果の大きさや重要性を測るものではありません。

  • 誤解3: 0.05未満のp値は常に有意な結果を示す
    これはよく誤解されることです。閾値(通常は0.05)は任意のものであり、文脈に依存します。また、研究のパワーや対立仮説の妥当性など、他の要素も考慮することが重要です。

これらの誤解を理解し、p値の正しい解釈を把握することは、適切な統計的推論のために重要です。理解がない状態でデータについて誤った結論を導くと、誤った科学的な結果が生じる可能性があります。

有意水準: p値に基づく判断

事前に設定された閾値

有意水準は、仮説検定における重要な閾値として機能します。一般的に、\alphaと表され、帰無仮説が真である場合に、その帰無仮説を棄却するために研究者が受け入れる最大の確率を示します。これはαエラーとしても知られています。

一般的には、\alphaは0.05で設定され、効果が存在しないと結論付けるリスクが5%であることを意味します。ただし、この値は固定されているわけではありません。状況やαエラーの潜在的な影響を考慮して、より厳格な閾値(0.01など)またはより寛容な閾値(0.10など)を設定することもあります。

帰無仮説の棄却または採択

統計的検定から計算されたp値は、事前に設定された有意水準と比較されます。この比較に基づいて、仮説検定の結果が決定されます。

もしp値が有意水準以下(p ≤ \alpha)である場合、帰無仮説を棄却し、対立仮説を採択します。これは、結果が「\alpha水準で統計的に有意」と報告されることです。標本データからの証拠は十分に強く、対立仮説で述べられている効果や関係性が統計的に有意であると結論付けられます。

もしp値が有意水準よりも大きい(p > \alpha)場合、帰無仮説を棄却できません。この結果は、「\alpha水準では統計的に有意ではない」と報告されます。帰無仮説が真であるか、効果や関係性が存在しないわけではないことを忘れることが重要です。単に、標本データから得られた証拠が十分に強くないため、効果や関係性が統計的に有意であると結論付けることができません。

Ryusei Kakujo

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