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2022-10-14

Key Performance Indicator(KPI)

KPIとは

Key Performance Indicators(略称:KPI)は、組織の業務のさまざまな側面でのパフォーマンスを測定するのに役立つ数値であり、一般的にKPIとして言及されます。基本的に、KPIは定義された目標の達成に向けた進捗状況を定量的に監視する手段を提供します。KPIは、現在のビジネスの状態を評価するのに役立ち、将来の改善に必要な手順を策定するのにも役立ちます。

KPIの概念はシンプルですが、その作成と実装のメカニズムは非常に複雑な場合があります。KPIは特定の目標と密接に関連しており、データに基づいた情報を元に組織が的確な意思決定を行えるようにする必要があります。

また、KPIは一様に適用されるものではありません。組織の目標や業界、部門の機能によって大きく異なる場合があります。例えば、営業チームのKPIは通話回数のようなものであるかもしれませんが、生産チームの場合は1時間あたりの生産単位数かもしれません。

KPIの種類

先行指標と遅行指標

KPIは先行指標と遅行指標に分類されます。先行指標は先んじて予測的な対策を示す指標であり、将来の出来事や結果を示すことができます。例えば、顧客の問い合わせ数が増加することは、売上の増加の先行指標となり得ます。

一方、遅行指標は反応的な指標です。これらは過去のパフォーマンスに関する情報を提供し、四半期の売上や返品製品数などを示します。これらの指標はパターンやトレンドの確認に役立ちます。

定量指標と定性指標

定量的なKPIは数値で測定できる指標です。データに基づいており、時間の経過とともに簡単に追跡できます。売上高、利益率、市場シェアなどが例です。

定性的なKPIは、数値ではなく特性や属性に基づいています。これらの指標は主観的な要素が多く、ブランドの評判や従業員の士気など、パフォーマンスの非物質的な側面を測定するために使用されます。

入力、プロセス、出力、結果KPI

入力KPIは、製造や運用プロセスで使用されるリソースを測定します。例えば、プロジェクトを完了するために必要な労働時間の数は、入力KPIになります。

プロセスKPIは、プロセスの効率性や生産性を測定します。例えば、顧客の苦情を解決するためにかかる時間は、プロセスKPIです。

出力KPIは、達成された結果に焦点を当てます。特定の期間に生産された製品数や生成された収益などが該当します。

結果KPIは、出力の効果とその影響を測定します。例えば、製品の改善による顧客満足度は、結果KPIとなります。

KPIのケーススタディ

以下に、異なる業界の3つのケーススタディを示します。これらのケーススタディは、さまざまな組織がKPIを効果的に活用してパフォーマンスを向上させ、目標を達成した実践的な例を提供します。

テックスタートアップ

背景

テックハブは架空のテクノロジースタートアップで、中小企業向けのプロジェクト管理を簡素化する革新的なアプリを開発しました。最初はユーザーベースの構築に重点を置いていましたが、多数のユーザーを獲得した後は、ユーザーの維持と収益の生成に焦点が移りました。

導入されたKPI

  • 月間アクティブユーザー(MAU)
  • 顧客獲得コスト(CAC)
  • ユーザーごとの平均収益(ARPU)
  • 顧客維持率
  • ネットプロモータースコア(NPS)

結果と洞察

MAUのモニタリングにより、TechHubはユーザーのエンゲージメントの変動に気付き、アプリ内のユーザーの行動に関する調査を行いました。その結果、会社はアプリのユーザービリティを向上させるために、アプリのユーザーインターフェースに変更を加えました。

CACをARPUと組み合わせて分析することで、TechHubはマーケティング予算や価格戦略について的確な意思決定を行い、結果として収益性を向上させました。

NPSは顧客満足度レベルを把握するのに役立ちました。顧客のフィードバックを収集することで、会社は重要な製品改善を行い、顧客維持率を向上させました。

製造会社

背景

MetalCraftは架空の製造会社で、高精度な金属部品の製造に特化しています。同社は生産効率と製品品質の課題に直面し、顧客満足度と運営コストに影響を与えていました。

導入されたKPI

  • 総設備効率(OEE)
  • 初回合格率(FPY)
  • 生産停止時間
  • 品質不良コスト(COPQ)
  • 顧客クレーム数

結果と洞察

OEEの使用により、MetalCraftは生産プロセスのボトルネックを特定しました。これらの問題に対処することで、会社は追加費用をかけることなく生産能力を増やしました。

FPYは、製品の相当割合が再作業を必要としていることを示しました。そのため、会社は品質管理プロセスを見直し、FPYを向上させCOPQを低下させました。

生産停止時間の監視により、再発する機械の問題が特定されました。MetalCraftは予防保全を行うことで停止時間を減少させ、運営効率を向上させました。

顧客クレームのトレンドを分析し、それに対処することで、MetalCraftは製品品質と顧客満足度を向上させました。

非営利組織

背景

ChangeForGoodは、貧困層の子どもたちへの教育へのアクセス向上を目指す架空の非営利組織です。彼らは自分たちのプログラムの影響を測定し、寄金が効果的に活用されていることを確認する必要がありました。

  • 導入されたKPI
  • 参加児童数
  • 資金調達額
  • プログラムの到達範囲
  • 寄付者の維持率
  • 受益者のフィードバック

結果と洞察

参加児童数の追跡により、ChangeForGoodは自身のプログラムの直接的な影響を把握することができました。

資金調達額とプログラムの到達範囲をモニタリングすることで、ChangeForGoodは自身の取り組みの費用対効果を評価することができました。これにより、組織はリソースを効率的に割り当て、活動の範囲を拡大することができました。

寄付者の維持率に焦点を当てることで、ChangeForGoodはコミュニケーション戦略を調整し、寄付者を組織の活動に関与させることができました。

受益者のフィードバックは、プログラムの改善点を特定する上で重要な役割を果たしました。フィードバックを取り入れることで、組織は自身の取り組みの効果を向上させることができました。

Ryusei Kakujo

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Focusing on data science for mobility

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