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2022-09-17

道路の役割

道路の役割

道路は私たちの生活の中で欠かせないものですが、その背後には多様な機能が隠されています。大きく分けると、道路の機能は「交通機能」と「空間機能」に分けられます。交通機能は主に道路の移動手段としての側面を指し、空間機能は道路が持つ公共空間としての側面を示しています。

交通機能

交通機能はさらに「トラフィック機能」と「アクセス機能」に細分化されます。

トラフィック機能の役割

  • 安全確保: トラフィック機能は、道路上の全ての利用者の安全を確保することを目指しています。
  • 時間距離の短縮: 適切なトラフィック機能により、目的地までの所要時間が短縮されます。
  • 交通混雑の緩和と輸送費の低減: 効率的な道路の設計や管理により、混雑が減少し、輸送費が低減されます。
  • 交通公害の軽減とエネルギーの節約: 交通の流れがスムーズになると、排出ガスや騒音などの公害も軽減されます。

アクセス機能の役割

  • 地域開発の基盤整備: アクセス機能は、新しい地域や商業施設へのアクセスを容易にし、地域の発展を促進します。
  • 生活基盤の拡充: 生活に必要なサービスや施設へのアクセスを向上させることで、生活の質を向上させます。
  • 土地利用の促進: アクセスが容易な土地は、住宅やビジネスの立地として魅力的となります。

トラフィック機能とアクセス機能のトレードオフ

トラフィック機能とアクセス機能はトレードオフの関係にあります。高規格の高い道路、例えば自動車専用道路では、トラフィック機能が前面に押し出され、円滑な交通の流れが重視されます。これに対して、生活圏内の道路では、アクセス機能が優先され、交通の流れよりも周辺へのアクセスの利便性が重要視されます。

空間機能

都市における道路の空間機能は、次のように多岐にわたる役割を果たしています。

  • 防災通路、火災延焼の遮断空間などとしての防災スペース
  • 緑地、彩光、通風、遊び場、社交場としての生活環境スペース
  • 電力、電話、ガス、上下水道、地下鉄、駐車場、共同溝、地下街などのライフラインの収容空間としてのスペース

道路整備の効果

道路整備は社会経済的な影響が広がる大規模なプロジェクトと言えます。その効果は、整備の際の財政支出や建設後の道路の利用という2つの観点から捉えることができます。

フロー効果とストック効果

道路の整備が進行すると、それに伴い多くの財政支出が行われ、それが地域経済における需要を生み出します。建設業者や関連する産業が動き出すことで、GDPの増加や雇用の創出が促進されます。これを「フロー効果」と呼びます。一方、道路が完成し利用が始まると、その道路の持つ交通機能や空間機能が生産活動を拡大させることが期待されます。これを「ストック効果」と呼びます。

ストック効果の重要性

整備された道路は持続的にその効果を発揮します。その効果は、どれだけ道路が社会経済に寄与するかという点で評価されます。

道路の機能から発生する社会経済への影響

道路の整備は、その後の交通流や土地利用のパターン、地域の発展など、さまざまな面で社会経済に影響を及ぼします。例えば、新しい道路が開通することで、新しい商業地域や住宅地が形成されることもあります。

道路の利用者は、道路がもたらす便利さや時間の短縮などの直接的な効果を享受します。一方で、道路整備によって周辺地域の価値が上がったり、新しいビジネスチャンスが生まれるなど、道路を直接利用しない人々にも影響がおよびます。

参考

https://www.amazon.co.jp/交通工学-北村-隆一/dp/4274206386

Ryusei Kakujo

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Focusing on data science for mobility

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