TerraformによるAWSマルチリージョンリソースの管理
この記事では、Terraformを使用してAWSのマルチリージョンでのリソースの作成方法について紹介します。AWSリージョンの定義、異なるリージョンでのリソースの作成、モジュールの利用に焦点を当てます。
TerraformによるAWSリージョンの定義
AWSリージョンは、2つ以上のアベイラビリティーゾーンから構成される地理的なエリアです。AWSリージョンは別々の地理的エリアを示し、別々のAWSリージョンにリソースを持つことで高い耐障害性が確保されます。
複数のAWSリージョンで作業するためには、Terraformの設定ファイルでそれぞれのリージョンを個別に定義する必要があります。
以下は、TerraformのAWSプロバイダーを使用してAWSリージョンを指定する例です。
provider "aws" {
region = "ap-northeast-1"
}
provider "aws" {
region = "us-east-1"
alias = "virginia"
}
上記のコードでは、AWSプロバイダーを2回設定しています。それぞれ異なるリージョンであり、ap-northeast-1
(アジア太平洋(東京))とus-east-1
(米国東部(北バージニア))です。
2番目のプロバイダーにはalias
属性が追加されており、最初のプロバイダーと区別するためのものです。
異なるリージョンでのリソースの作成
Terraformの設定ファイルで異なるAWSリージョンをプロバイダーとして定義したら、これらのリージョンにリソースを作成できます。
別のリージョンにリソースを作成するには、provider
属性を使用してどのプロバイダー(したがって、どのリージョン)を使用するかを指定します。
以下は、provider
属性を使用してus-east-1
リージョンにAWS S3バケットを作成する例です。
resource "aws_s3_bucket" "bucket_virginia" {
bucket = "my_bucket"
acl = "private"
provider = aws.virginia
}
この例では、provider
属性がaws.virginia
に設定されており、バケットがus-east-1
リージョンに作成されることを示しています。
異なるリージョンでのモジュールの作成
個々のリソースを作成するだけでなく、モジュールを使用して異なるリージョンにリソースのグループを作成することもできます。
異なるリージョンでモジュールを宣言する場合、providers
属性を使用してモジュール内のリソースにどのプロバイダーを使用するかを指定します。
以下は、モジュール宣言でproviders
属性を使用する例です。
module "my_module_virginia" {
source = "./path/to/module"
variable_value = "my_value"
providers = {
aws = aws.virginia
}
}
この例では、providers
属性がaws.virginia
に設定されており、モジュール内の全てのリソースがus-east-1
リージョンに作成されることを意味しています。
参考