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2023-03-31

ソフトウェア開発におけるDRY原則

DRY原則とは

DRY (Don't Repeat Yourself) 原則は、コードの反復を減らして効率性、保守性、全体的なコード品質を向上させるための、基本的なソフトウェアエンジニアリング概念です。この原則は、情報の各部分について、システム内に単一かつ明確で権威ある表現を持たせることを推進します。冗長性を避け、モジュール性を採用することで、開発者は理解しやすく、変更しやすく、拡張しやすいコードを書くことができます。

DRY原則の重要性を理解するには、ソフトウェア開発の3つの重要な領域、つまりコード保守性、コード再利用性、コード効率性の影響を認識することが必要です。DRY原則に従うことで、同じコードを複数の場所で更新する必要がなくなるため、コードの保守性が向上します。これにより、バグや矛盾を導入する可能性が減ります。さらに、再利用可能なコンポーネントや抽象化を作成することで、将来のプロジェクトで時間と労力を節約し、より効率的かつスムーズな開発プロセスを確保できます。

DRY原則を実践するためには、コードの抽象化、モジュール化、関数やメソッドの効果的な利用などの技術を活用することが考慮されます。コードの抽象化は、共通の問題に対する汎用的な解決策を作成し、さまざまな特定のケースに適応できるようにするプロセスです。モジュール化は、コードをより小さく、自己完結型の単位に分解し、システムの全体的な機能性に影響を与えることなく再利用または置換できるようにすることを促します。関数やメソッドを使用して、特定のタスクをカプセル化し、必要に応じて呼び出すことにより、コードの反復を減らし、再利用性を促進することができます。

DRY原則の実装

コード抽象化

コードの抽象化とは、特定のソリュションや概念を、より汎用的で再利用可能な形式に一般化するプロセスです。コードのさまざまな部分にわたるパターンや類似点を特定することにより、共通の機能をカプセル化する抽象化を作成できます。これらの抽象化は、コードベース全体で再利用され、反復を減らして保守性を促進します。

効果的な抽象化を作成するためには、同じ問題の複数のインスタンスで共有される核心機能またはデータを特定することに焦点を当てる必要があります。この共通点が特定されたら、抽象化を柔軟で適応可能な形式に設計する必要があります。これにより、さまざまな部分のコードベースに簡単に統合できます。

モジュール化

モジュール化とは、システムの全体的な機能に影響を与えることなく、再利用または置換可能な小さな自己完結型の単位にコードを分割することです。モジュールは、望ましい機能を作成するために組み立てられるビルディングブロックと考えることができます。コードを明確に分割することにより、再利用性と保守性が促進され、コードの更新、テスト、および拡張が容易になります。

モジュール化を実装する場合、開発者は、単一かつ明確に定義された責任を持つモジュールを作成することに焦点を当てる必要があります。このアプローチは、単一責任原則 (Single Responsibility Principle, SRP) として知られ、各モジュールが特定のタスクまたは機能に焦点を当てることにより、理解しやすく、保守しやすく、再利用できるようにします。

関数やメソッドの活用

関数やメソッドは、コードの反復を減らし、再利用性を促進するための重要なツールです。これらの構造は、特定のタスクや計算をカプセル化し、必要に応じて呼び出されます。関数やメソッドを効果的に使用することにより、コードを簡素化し、保守性を高めることができます。

関数やメソッドを作成する際には、目的を正確に伝える明確で説明的な名前を付けることが重要です。また、関数やメソッドには、明確に定義された入力と出力を持たせる必要があります。これにより、コードベースのさまざまな部分に簡単に統合できます。

デザインパターンの活用

デザインパターンとは、ソフトウェア開発中に生じる共通の問題に対する再利用可能なソリューションです。これらのパターンを活用することで、開発者はDRY原則に従い、開発プロセスを効率化できます。デザインパターンは、さまざまなコンテキストで効果的に機能することが証明されているため、保守可能で再利用可能なコードを構築するための堅牢な基盤を提供できます。

DRY原則を実装するために役立ついくつかの人気のあるデザインパターンには、次のものがあります。

  • ファクトリーパターン
    オブジェクトを作成するための方法を提供し、作成されるオブジェクトの正確なクラスを指定する必要がない作成パターンです。

  • シングルトンパターン
    クラスが1つしか存在しないことを保証し、そのインスタンスへのグローバルなアクセスポイントを提供する作成パターンです。

  • オブザーバーパターン
    オブジェクト(主体)が状態が変更されたときに、他のオブジェクト(観察者)に通知することができる、緩やかなカプセル化とモジュール化を促進する動作パターンです。

参考

https://thevaluable.dev/dry-principle-cost-benefit-example/

Ryusei Kakujo

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